2017.12.26

長周期地震

長周期地震動と言うと、遠くの巨大地震により岩盤、地盤を伝わり「背が高い建物」がゆっくり大きく揺れる現象で、3.11東日本太平洋沖地震時に都心の超高層建物が比較的大きな振幅で揺れたことを思い出します。昔から、この長周期地震の可能性は南海トラフの大地震時の際、名古屋や大阪近郊で懸念されていることは知っていましたが、この大学のある「静岡県」も大変です。この図は、http://www.taishin-shien.jp/long-period/doc/jyogen.pdfから引用しました。

「超高層建物等」が対象ですが、この中には高さ60m以上の高層建物と3階を越える免震建物が入ります。擬似速度応答スペクトルも通常の建物の2倍くらい大きく、このスペクトルに応じた人工地震波1波(500秒以上)を用いて地震応答解析をした検討が、2017年4月1日から新規建物の申請時には必要となっています。インパクトは大きく、地震に強いと思われている免震建物の応答が大きくなります。具体的には免震デバイスの数の追加や免震層のクリアランスが従来よりかなり大きくなります。

個人的には、免震の方が通常の地震では効果絶大ですのでお勧めしたいのですが、コスト高は否めませんので良く考慮して静岡県では建設する必要があります。また超高層建物も静岡市、浜松市を中心に増えていますが、上記の検討が必要になること、長周期地震がきた際の対策は既存の建物でも考える必要がありますのでご注意ください。