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鳥人間コンテストへの挑戦②「無尾翼機の開発 〜飛行試験で空を飛ぶ〜 」

2018.07.26
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鳥人間コンテストへの挑戦②
「無尾翼機の開発 〜飛行試験で空を飛ぶ〜」
 


7/21(土)、静岡県磐田市福田の海岸。いよいよ「飛行試験」の日を迎えた。
 
風が安定するのを待ち、数回の助走練習を行った後、パイロットは滑空試験を開始した。
自分たちが心を込めて製作した機体が浮き上がる。
疲れも暑さも吹き飛び、誰もが確かな手応えを感じた。

※7/21(土)の飛行試験の様子

無尾翼機は通常の飛行機とは異なり水平尾翼が無い。そのため、縦方向(ピッチング)の安定性維持(操縦)が難しくなる。昨年度より機体重量を15%軽量化し、後退角を増した機体。「格段に良い機体になった」とパイロットは自信に満ちた笑顔を見せた。
 

「より鳥に近い形状で、見た目も美しく印象に残るシンプルな機体を目指した」
 
そう語るのは、鳥人間コンテストに出場する静岡理工科大学の学生サークル「SKY  Traveler(スカイトラベラー)」で部長兼パイロットを務める三浦康彰さん。

※2018年部長兼パイロットの機械工学科・三浦康彰さん
 

飛行試験までの過程には、少なからず困難もあった。
 
主翼の先端に向かって翼の迎角を下げる「ねじり下げ」は、機体の不安定さを補うための一つの技法。「後退角」を付けることで空気力学的なバランスを向上させることができる。しかし桁の強度計算は難しく、引張、圧縮、剪断、曲げ、ネジレなど慎重な検討が要求される。

※理論上の計算もきちんと行った上で、実際に制作を行う

機体の骨となる「桁」の耐荷重テスト(桁試験)を特に繰り返し行った。
理論上では問題ないと計算から導き出した数値で制作した桁は、様々な条件が重なり、設計上の最大負荷(安全率を含む)をかけると一部が破損してしまうこともあった。
 
「このトラブルは、原因がはっきりわかっているので問題ありませんでした。原因を解明し、修正することで、より精度の高い機体へ近づけることができます。変形やたわみ量等データを取ることもできたので、今後の機体設計にも役立ちます」と、三浦さんは振り返る。
 
機体完成までの工程は、ひとつひとつ手を抜くことなく、丁寧に工程をこなしていくのみ。
そんなひたむきな部長に引っ張られるように、部員たちも誰一人弱音を吐くこともなく、真剣に、そして何よりも楽しそうに作業を進めてきた。
 
※先輩の指導を受けながら、1年生も積極的に作業を行う
※ラストスパートへ向けてそれぞれの作業を進めていく
 

「人が乗り込むことを考えた時、この機体はベストな状態。部員みんなで作ったこの機体で、絶対本番のフライトを成功させてみせます」
「今しかできない貴重な経験ができるのは楽しい。遠くまで飛びたいですね」

三浦さんの声にも力がこもる。
感触は上々だ。

メンバー一人ひとりの思いと努力を集結した機体が空を飛ぶ。
目標は、300メートル。
 

滋賀県彦根市の琵琶湖東岸で開催される「第41回鳥人間コンテスト2018」。まもなく本番を迎える。

※スカイトラベラーは1年生が多い若手中心チーム
 
 
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