経営情報

  経営にとって,情報は最大の武器であると言っても過言ではありません.従来より,経営資源として,「ヒト」「モノ」「カネ」という言葉が使用されてきましたが,今日では,これに「情報」が加わっているといえます.経営の中で情報がどのように使われているかを知るためには,まず,経営や物流そのものについて学ぶ必要があります(「経営工学概論」,「ロジスティクス」).

  次に,経営や物流における情報の役割やその中における情報システムのあり方について学ぶことになります(「経営情報システム」,「物流情報システム」).最近では,商品の企画,製造,配送,販売などを一元的に管理し,生産者や消費者にとって最適なシステムを構築することが要求されています(「SCM」).SCM (Supply Chain Management)の基本は,多業種にわたる情報システムの構築であり,経営や物流における最大の情報活用戦略であるといってもよいかもしれません.

  又,どのようにしてお客を集めるかということも非常に重要です(「マーケティング」).マーケティングは,製造業,流通業,サービス業だけではなく,営利,非営利を含む様々な団体において必要とされ,必ずしも経営分野だけの問題ではありません.

  経営分野においては,多くの情報を扱いますが,その多くはコンピュータで処理することになります.従って,コンピュータに関する知識は必須です.また,結果の分析,意志決定,得られたデータに基づいた最適化など,数学的知識も必要です.さらには,人間が強く関係する分野ですので,心理学なども重要になります.

  ここでは,非常に簡単な経営分野の最適化問題について考えてみます.線形計画法という方法を使用しますが,まず,最初に,簡単な例を示します.今,
	y ≦ -2x + 5   (1)
	y ≦ -x/2 + 3   (2)
	ただし,x, y ≧ 0
			
という条件の下で,
	k = x + y   ∴ y = -x + k   (3)
			
の最大値を求めたいとします.(1) 式及び (2) 式の条件を満足する領域は下図の斜線部分になります.従って,k の値は (3) 式が (1) 式及び (2) 式の交点を通るとき最大になり,その値は 11/3 になります.

  では,上と同様の方法で,以下に示す問題を解いてください.ある製品A及びBを生産するためには,3種類の原料a,b,及び,cを必要とします.各製品1単位を生産するために必要な各原料の量,及び,各原料の現在庫量は以下の表に示す通りとします.また,各製品1単位を売却すると,各々,3及び2万円の利益が得られるものとします.問題は,利益を最大にする各製品の生産量を決定することです.

原料 製品Aに対する必要量 製品Bに対する必要量 在庫量
3 1 9
2.5 2 12.5
1 2 8

  各製品の生産単位を,それぞれ,x 及び y としたとき,この問題を式で表現すると,以下のようになります.

利益,
      r = 3x + 2y   y = -1.5x + 0.5r   (1)
				
を,制約条件,
      3x + y ≦ 9         y ≦ -3x + 9         (2)
      2.5x + 2y ≦ 12.5   y ≦ -1.25x + 6.25   (3)
      x + 2y ≦ 8         y ≦ -0.5x + 4       (4)
      x, y ≧ 0   (5)
				
のもとで,最大にする.

  この問題をグラフを利用して解くと以下に示す図のようになります.制約条件を満足する領域を図示すると,下図の斜線部分のようになります.したがって,目的関数は,赤線の位置で最大になります.つまり,x = 2,かつ,y = 3 のとき,最大値 12 となります.

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