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地域から「信頼される大学」であり続けるために

学校法人静岡理工科大学 理事長
橋本 新平

理工系人材の裾野を
広げていく

静岡理工科大学は、本学園のフラッグシップともいえる存在で、おかげさまで今年30周年を迎えることができました。30年経った現在でも、「技術者の育成をもって地域社会に貢献する」という建学の精神に変わりはありません。

一方で、これからの本学においては、単なる技術者育成にとどまらず、確かな科学リテラシーを身につけ、その知見を広く世の中に役立てていくような人材を育成することが求められると考えております。

これは大学教育だけではなく、13校からなる学園全体の連携にも繋がります。例えば、中高生に対し、本学の教員が「生きた数学」の授業を行い、世の中で数学の知識がどのように役立っているかということに関心を高めてもらう。そのことが、ひいては、物事を体系立てて論理的に思考できる数学好きの中高生を増やし、理工系人材の裾野を広げていけるのではと期待しております。

近隣地域の学校への出張授業などの取り組みを通じて、理工系人材の裾野を広げている

地域連携により
地元の活性化にも貢献

静岡理工科大学は、袋井市および地元企業、地元住民の皆さんのご尽力があって開学できた大学です。開学当時の袋井市は浅羽町と合併する前で、現在より約3万人も人口の少ない状況でありながら、山を切り開いて本学を迎えてくれました。

その恩返しの一つとして、設立30周年を迎える今年4月には、袋井市のご支援・ご協力を得て、本学内に、商工団体、金融機関と連携した「ふくろい産業イノベーションセンター」を開設しました。こうした取り組みを通じ、積極的に地域や地元企業に貢献していく所存です。

また、藤枝市に学園全体のサテライト拠点となる「藤枝イノベーション・コモンズ」をオープンしました。今後もグループとして地域連携に力を入れてまいります。

(左)ふくろい産業イノベーションセンターの調印式と4月に向けて開所準備中のオフィス、(右)藤枝イノベーション・コモンズ開所式と講座の様子

学生にインスパイアを与え、
共に成長していく大学へ

大学の目指すべき方向性は、「創造性」「国際性」「文化性」という3つのベクトルによって示されると考えています。「創造性」「国際性」は文字通りの意味ですが、「文化性」とはその大学に対して人々が持つイメージや文化、カラーのこと。目指すのは「面倒見のいい大学」「信頼できる大学」と皆さんに思ってもらえることです。幸い、本学の教職員たちは謙虚に成長しようとする志のある人たちばかりですから、30周年から先も、地道にそして着実に歩みを進めていけると思っています。

かつて米国で民間企業の経営に携わっていた頃に、ある人物から教育について、とても示唆に富んだ言葉をもらったのを今でも覚えております。その方いわく、「教えることは教わることでもある。そしてインストラクト(指導)することではなく、インスパイア(鼓舞)することだ。すなわち、相手の心に火を焚きつけて、主体的に学び続ける姿勢を身につけるように育てることが教育なのだ」というのです。

私どもも一方的に教える側に立つのではなく、「学生や地域の皆様と、共に成長する大学でありたい」。そのためにも、謙虚に不断の努力を積み重ねてまいりたいと考えております。

皆様方におかれましても、30周年の節目を迎える本学の想いに共感いただき、これからも暖かい目でご支援いただければ幸いに存じます。

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