2022.06.11

白井晟一「芹沢銈介美術館」

11JUN2022 静岡が世界に誇る人間国宝、芹沢銈介の作品を所蔵・展示する芹沢銈介美術館を訪問してきました。設計は孤高の建築家ともされる白井晟一が手掛けています。

寡黙な印象を与える石張りの外観からアプローチすると水盤の中庭が迎え入れ、視覚的な水の印象と共に、音の響きが意識を切り替える装置として有効に機能しています。

内部はアーチが連続する開口をくぐりながら、展示室を巡っていく構成は、アフォーダンスの効果を感じさせました。

闇を感じさせる、あるいは暗さが生み出す奥行き感が特徴として強く印象に残る建築でした。

隣接する敷地が登呂遺跡ということで、「縄文」の建築から論争を引き起こした白井が「弥生」の建築に対峙して建築を作るという巡り合わせも興味深いし、登呂遺跡がどう影響を及ぼしたのか興味が尽きません。