【コンピュータシステム学科 小嶋卓】最近のワンチップマイコンについて

 コンピュータシステム学科のコンピュータシステム実験という実験科目で使用しているワンチップマイコンと実験機材を紹介します。ワンチップマイコンとはCPU(中央処理ユニット)とメモリと入出力ポートが一体となった小さなコンピュータのことです。家電製品や自動車や携帯など多くの製品に組み込まれて使用されています。ワンチップマイコンが無かった時代にはトランジスタや集積回路を使った電子回路で製作していたのですが、多くの製品は小型化、多機能化そして低価格化を実現するためにワンチップマイコンを組み込んで製作するのが普通となってきました。ここで紹介するのはワンチップマイコンの中でも中規模のものでmbedとよばれているものです。

 表面にCPUとスタートボタン、裏面にイーサーネットのチップやフラッシュROM、そしてmbed固有のチップを搭載した25mm×53mmのサイズのシステムです。 私の実験ではこれをブレッドボードに挿入し、ジャンパー線で配線し動作させています。

 ワンチップマイコンを動作させるには何らかのプログラムを作成する必要がありますが、そのプログラムを考え、メーカー側のサーバーに入力して保存し、さらに機械語に翻訳してプログラムができあがります。そのプログラムをダウンロードし、mbedに書き込みます。その後mbedのスタートボタンを押すとプログラムが実行されます。左側のパソコンはサーバーにアクセスするためWebブラウザを使いますが、プログラム開発のためのソフトウェアなどはインストールする必要がありません。
次の写真ではmbedをWebサーバーにし、Webページもmbedに書き込んでおきます。そして無線LANでつないだパソコンのブラウザからWebサーバーのmbedにアクセスし、

ボタンを押すと10バーLED(黄色)のLEDが点灯します。またmbed側の温度センサーで取得した温度の値をブラウザに1秒間隔で表示しています。このシステムはUSBケーブルの電力でも動作しますが、パソコンと切り離し電池も動作します。要するに離れた場所にあるシステムを制御することや離れた場所で計測したデータを取得することなど単独のシステムより、はるかに便利な使い方ができます。
 受講した学生さんからは「Webサーバーというともっと大型のコンピュータをイメージしていたが、このような小さなコンピュータがWebサーバーになることに驚いた。」や「javascriptで書いたWebページからブレッドボード上に組んだシステムを遠隔で操作できることにとても興味がわいた。」などの感想が寄せられています。
 私の研究室の卒業研究では2011年度から、実験科目では2012年度からこのシステムを用いて教育を実施しています。それまでPIC,AVR,H8,SH2などの機種を使用してきましたが、mbedはいろいろな点で革新的であり、開発や教育の面で利用が広がるのではないかと思っています。