物質生命科学科|小土橋 陽平 講師らの論文がPolymer Chemistry誌に掲載されました

物質生命科学科 小土橋 陽平 講師, 桐原 正之 教授, 白頭 菜帆(2018年度卒 学士), 齋藤 克哉(修士2年)が, 新しい機能性ポリビニルアルコール(PVA)フィムルを開発しました. PVAは水溶性の合成高分子であり, 食品包装フィルムや接着剤, 繊維, 化粧品など様々な場面で利用されています. これまでに水に不溶なPVAフィルムを開発する為様々な方法が試みられてきましたが, 有毒な化合物の添加や特殊な装置の使用などが問題点でした. また, 機械的な強度や使用後の分解についても改善の余地がありました. 今回開発した機能性PVAフィルムは, カルボキシ基とベンゾオキサボロール基を含有する合成高分子を添加し, 2種類の架橋構造を与えることで不溶化と機械的特性の向上に成功しました. 機能性PVAフィルムは80℃のお湯に3時間浸漬してもほぼ100%残存しました. また機械的な強度は架橋構造により, PVA単独と比較し1.3倍増加しました. 混合する高分子の構造により, 強度をさらに向上できることが予測されます.

さらに次亜塩素酸ナトリウム五水和物の水溶液を酸化剤として用いることで, 機能性PVAフィルムが25℃にて25時間以内に分解することが観測されました. 次亜塩素酸ナトリウム五水和物は反応後に水と塩化ナトリウムを生産する環境にやさしい化合物です. 酸化剤の他にも, 混合する合成高分子によって温度やpH, 光など分解する引き金を選択または組み合わせることが可能です. 製品としての使用後に, 環境条件による迅速な分解が可能である本システムは, マイクロプラスチックなどの問題を解決できる材料として期待されます.

 

本研究の一部は, 文部科学省 科学研究費助成事業 (16K16402, JP23590024), 公益社団法人 JFE21世紀財団研究助成, 文部科学省 地域イノベーション・エコシステム形成プログラム, 一般財団法人 東海産業技術振興財団研究助成により遂行されました.

本研究成果はPolymer Chemistry誌に掲載されました.

(https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2020/py/d0py00153h#!divAbstract)

 

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