研究室の挑戦

医療、福祉に貢献する工業技術【本井研究室】

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生体情報計測研究室 担当:本井幸介講師
 
身体に負担のない先進生体計測技術を開発!
次世代型医療・福祉支援システムで健康促進
 

【研究1】
リハビリテーション支援のためのウェアラブル姿勢・活動のモニターシステムの開発
 


医療費の増大、脳卒中患者さんの増加、短期入院の推進…
少子高齢化が進む介護、看護の分野ではリハビリテーションを必要としている人は数多く、いかに的確なリハビリを行うかが病状回復への鍵となる。
しかし、リハビリ方法やその効果の判断は療法士の経験や勘に基づいて判断せざるをえないことも多く、評価が難しいことも多い。
 
患者さんの姿勢状態やリハビリ効果を数値データとして記録し、そのデータを病院・リハビリテーションセンター内で共有することができれば、スタッフが協力して的確かつ質の高いリハビリを提供することが可能となるのではないか。

そのニーズに応えるために、本井研究室で行っているのが、体に負担のない「ウェアラブル(無拘束)センサ」を用いたリハビリ効果を数値化する研究。
学生がシステムを開発し、学生自身を被験者としてセンサの精度や耐久性を含めて実験・評価を重ねている。



このシステムは計測環境を限定しないため、センター内はもちろん家に帰ってからも継続的に数値を計測。
療法士がその都度に応じたリハビリを行うことが可能となる。
  
完成したシステムは、九州の脊髄損傷を専門とした病院へ導入。実際にリハビリを行っている老若男女の患者さんのデータ計測を行っている。
さらに、病院の先生や療法士の要望に合わせ、学生たちがプログラムや回路、センサを作り、より現場にあったシステムに改良し、フィードバック。

それらを繰り返し、臨床現場での評価とシステム開発を同時進行で行っている。
 


電気電子を含む工学の技術を軸足に医学の考えを融合する、「生体医工学」という複合分野。

医療スタッフとエンジニアが一緒に取り組むことで、より精度の高いシステムを生み出すことが可能となる。
リハビリ支援に役立つシステムの登場は、遠くない未来で実現されるはずだ。
 

【研究2】
無意識生体計測におるヘルスケアネットワークシステムの開発と医療福祉への応用

 


普段の生活をするだけで自動的に健康チェックができたら…。

いつかそんなシステムが必要な時代が来るだろうという前提のもと、20年以上前から本井講師の恩師の先生方が進めてきた研究。
現在は予防治療を推進する国の医療ニーズもあり、よりアウトプットを意識したシステム開発が求められている。
 
例えば入浴。
お湯は電気を通すため、お風呂に入るだけで心電図や呼吸を測ることができる。人の心電は微弱だが、電気電子のノウハウを使ってノイズに強い心電を取り出せるのだそう。
さらに就寝時には心拍数、呼吸、体動を、トイレでは血圧や体重・排泄量を測ることができるようにシステムを開発。
 


また、心不全を専門とした病院と提携し、ネットワーク通信を使った在宅患者さんの「遠隔医療」にも力を入れている。
計測結果はタブレットなどから確認でき、医者は病院内で簡便に患者さんの変化を感知できるため、重篤化する前の適切な処置が可能となる。
 
求められているのは、社会に還元できるシステム。
従来の医療機器と比べて遜色はないか、測定できた数値を分析し有益な情報にできるのか、確かなセンシングとソフトウェア技術がないとシステムとしては機能しない。
 


医療現場はまず見ることが大事。学生も自ら現場に足を運び、医者や看護師、療法士とコミュニケーションを取りながらより良いシステム開発を進めている。
地道な作業の繰り返し。研究開発に粘り強さは不可欠だ。
 



これらの研究は、小児分野への展開を視野に入れていると話す本井講師。
未来を支える次世代の子供たちのために、社会へ技術を還元する。

それが本井研究室の挑戦だ。

 
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