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コロナ禍時代における効率的な遠隔授業の導入とキャンパスの「新しい日常学習」の取り組み


 本学では新型コロナウィルス蔓延による感染防止策として、4月22日からインターネットを活用した遠隔授業をいち早く導入し、新たな教育環境の提供を実施しています。大学教育における従来の教室による対面授業や少人数ゼミ、マンツーマンによる個別面談などきめ細やかな学修機会の提供にとどまらず、新型コロナウィルスと共存する時代は、これまでとは異なる環境整備が教育・研究の現場にも求められています。そこで、本学の取り組みを学生や教職員の声を通じて紹介します。

 コロナ禍で全国の大学で卒業式が次々と中止になる中、本学では情報学部で卒業式に替わる卒業セレモニーをオンラインで執り行う試みを県内でいち早く行い、新聞にも取り上げられました。また、4月10日には新型コロナウイルス感染対策としてオンライン授業の導入を発表し、注目を集めました。新入生のパソコンの準備やWi-Fiの用意のセッティングにも対処し、教員は各自がオンライン授業向けのコンテンツをオリジナルで作成しました。こうした試みはいずれも初めてでしたが、今後の授業の在り方や授業の質を高めるための検証材料にもなるので、とても有用です。オンライン授業で成果をあげたこともありますが、やはり大学教育では対面授業が欠かせないと考えます。そのため、感染対策を徹底しながら、後期には全体の8割ほどを対面授業で実施し、必要に応じてオンライン授業を組み合わせることを実践しています。

(野口 博 学長)

地域にひらかれた大学として、イノベーションに取り組む
 本学が位置する袋井市は、「活力と創造で 未来を先取る 日本一健康文化都市」をまちの将来像に掲げています。地域にひらかれた大学としては、例えば市民の運動不足解消を促すアプリの開発や活用の推奨も大切かもしれません。こうしたICT系の具体的開発にとどまらず、誰にでもわかりやすい市民のための公開講座を積極的に開講することも大学の役割でしょう。「手づくり」「モノづくり」から、これからは「コトづくり」「トキづくり」への転換、そして「人づくり」をしていくことが肝要で、それが地域貢献へとつながります。本学は、来年で開学30周年を迎え、人間の生涯になぞらえれば青年期に相当します。地域とともにこれから未来を創っていけるよう、本学ならではの取り組みに注力していこうと考えています。そのために、サイバー空間とリアルな空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立させる「ソサエティ5.0」※1 を実践し、さらに補完するためにSDGs※2 にも前向きに取り組んでいきます。イノベーションを通じて、地域に貢献することが、大学の役目だとすれば、今後は地元での起業家の育成やベンチャー企業の支援も大いに期待されるでしょう。2022年度には土木工学科も開設予定で、ますます地域にひらかれ地域に根ざした大学を目指していきます。
※1:Society 5.0「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」(内閣府の『第5期科学技術基本計画』)。例えば、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、課題や困難を克服します。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会を創出します。
※2:SDGs(エズ・ディー・ジーズ)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

(オンライン授業を受講する寺分さん)

 大学院では、VRを使った他者の視点についての研究をしています。そのため専用のヘッドセットやスペックの高いコンピュータを活用する必要があり、どうしても研究室の設備や先進のコンピュータを使わなければなりません。前期は通学の制限があり、研究室に人が集まることが出来なかったので、実験のためのプログラミング設計などを中心に取り組んで来ました。週に1、2回行う研究室の発表会に関してはオンラインを活用しました。研究アイデアを出し合ったり、学生同士で今何をどう取り組むかを相談することもできましたし、直接研究室に集まらなくても話し合えたのがよかった点ですね。オンライン授業のメリットは、新しい可能性も広げたと思います。例えばこれまで首都圏の有名な先生の授業を受けようとすれば、こちらから出向くか、大学まで来てもらう必要がありましたが、オンラインなら、移動の時間もなく手軽に出来ます。静岡にいながら、オンラインで東京や大阪のほか、海外の先生とつながることができ、これまでにない知見を広げられそうだと思いました。もう1点、研究室に集まることができない状況がきっかけになって、新しい研究プロジェクトが立ち上がったのも新型コロナウイルスの副産物だと思います。それは「デジタル技術を用いた新しい祭祀祭礼」というもので、感染リスクを避けオンラインで行う祭祀祭礼やデジタルデバイス自体のお葬式、人がいないお祭りの方法等を研究実践しようというものです。こうしたフットワークの軽快な点も静岡理工科大学の良さだと思いました。後期は対面授業が中心に行われるようになったので、自分の研究テーマのための実験や実習でデータを集めたいと考えています。

 前期はオンライン授業が中心で、最初の頃は設定の問題などもあって音声が聞こえなかったり、動画が途切れたりすることもありました。オンライン授業のよさは、パソコンに慣れたことと色々なソフトを駆使するようになったことですね。例えば、パソコンでオンライン授業の画面を開きながら、CADのソフトを動かすことがありましたが、対面授業ではまだCADの操作を実践的にやっていませんでしたので、いいスキルアップになりました。パワーポイントに加えて、3DソフトやCADも使わざるを得ない状況もあって、課題の提出や発表するための表現力は格段に上がったと思います。また、対面では理解が追いつかなかった部分があった授業でも、オンライン授業ならもう一度視聴できるので中途半端にしないで解決できたのはよかったですね。後期に入って、設計発表の授業がオンラインと対面のミックスでありましたが、密を避けるために3つの教室に学生が分散して、発表者と離れた場所からパソコン画面で共有した図面を見ながら、教室に置いてある実物の模型を見たり、先生の評価を聞くということをやりました。オンラインと対面授業のハイブリッドのようで、非常に内容が濃かったと思います。それから前期は、オンライン上での活動はできましたが、実際に集まっての模型制作やディスカッションが出来なかったグループ課題もあったので、後期は掛川城下町の中町・連雀商店街を実際に訪ねて、1/500の敷地模型をみんなで作りあげようと思います。当たり前に出来ていた演習もコロナ禍で出来なくなって、初めて気づくことも多かったのが前期でしたが、磨いた表現力を活かしていい発表や設計を出来るように取り組んでいきたいと思っています。

 前期は新型コロナウイルス感染リスクを減らすためにオンラインによる授業をすることになりましたが、主にオンデマンドとライブストリームという二つの方式を採用しました。オンデマンド授業とは、我々教員がそれぞれのスタイルで授業をした記録画像を大学のサーバーにストックしておき、学生たちが自分の都合に合わせて視聴するというものです。DVDを再生して視聴する感覚に近いですね。学生にとっては生活リズムの中で視聴できるため、集中しやすいメリットがあります。また、オンデマンドなので同じ授業を二回、三回と見直しも出来るため、理解度は格段に高まります。ただし、途中で疑問に思ったことをリアルタイムで質問ができないことや、ほかの学生の反応もわかりにくいというデメリットがあります。学生からの質問メールが、夜中に届いたこともあれば、同じような質問が時間差で届くこともありました。オンデマンドの授業動画は、毎回どういう内容を落とし込んでいくのか、試行錯誤しながら制作していましたので、対面授業とはまったく異なる部分がありました。一方、インターネット経由のライブ配信の授業の場合は、学生も教員も同じ時刻に画面越しに向き合うのでインタラクティブなやり取りが可能です。後期は通常の対面授業が始まっています。今後は、学生の予習や復習に効果的なオンデマンド授業と対面授業をどのように取り入れるかでしょう。学生にとって最善の学習機会を提供することを考え、授業の内容も新たにブラッシュアップしている最中です。

 大学として、感染対策を速やかに実施、徹底することが重要だと考えています。基本的には、「クラスターの発生させない」、また、「感染を広げない」ための取り組みになります。学内では新型コロナウイルス対策会議を開いて、具体的な対策を実践しています。例えば、大学への入構時の規制や消毒の取り組みです。全員のマスク着用はもちろんですが、万全を期して配布の用意もしており、学内の感染リスクを徹底排除するよう努めています。後期からは、サーモグラフィーカメラを管理棟や教育棟、建築学科棟の入り口に3台設置し、カメラの前を通っただけで体温チェックが自動でできるようにしているほか、教室や研究室、食堂など建物の窓開けによって通気性を確保し、入室前に消毒できるように専用の消毒アルコール類を各所出入口に用意しています。飛沫による感染リスクが高まる食堂では、テーブルにアクリル板を設置し、座席を間引いて定員の半分しか利用できないようにして感染リスクを減らしました。食堂の座席を減らした分は、2つの教室を開放して、学生たちがソーシャルディスタンスを保ちながら食事ができる場所を用意しています。また、スクールバスの運行は通常よりも増便して、混雑による密を避ける努力をしています。走行中の換気はもちろん、バス停での並びの位置を等間隔でマーキングするなど、感染リスクを減らすことを念頭において実施しています。withコロナ時代は、これまで以上に安全で快適なキャンパス環境を維持するように注力しながら、今後も全力で取り組んでいます。

(アクリル板を設置し、定員の半分まで座席を間引いた学生食堂)

 学生たちがキャンパスライフを不安なくスムーズに過ごせるように、教職員すべてがマスクを着用し、対面授業では、教員はフェイスシールドも併せて着用し、いま出来る最大限の感染予防対策を実施しています。前期は新型コロナウイルス感染のリスクを確実に減らすためにオンライン授業を中心に行いました。新入生にとっては、入学式や歓迎イベントなど多くの催しが見送られ、登校機会が激減したうえに、オンラインによる新しいキャンパスライフになじめない一面もあったかもしれません。先生たちによるオンライン授業は、すべてが撮り下ろしの内容で、繰り返し視聴できるものもあり、学生から理解度を高めることになったとの声も届いています。一方で、学生同士や先生とのコミュニケーションの欠如になってしまう点や、学生は毎回の課題に追われ、大変だったという声もあります。そういう問題点を改善し、後期では対面授業を中心にして、コミュニケーション不足にならないようにしながら、効果的にオンライン授業を組み合わせるように配慮しています。ようやくキャンパスにも学生たちが行き交う様子が見受けられるようになって来ましたが、感染防止対策のために、教室の収容人数の50%以内に収まるよう受講者数を制限し、さらに隣席をあけて学生を市松模様のように交互に着席させる配慮をしました。また、学生がなるべく昼食時間帯を跨がずに済むようなカリキュラムを用意し、対面授業とオンライン授業を上手に使い分けて履修できるように工夫しました。これは、長時間のキャンパス滞留を防止する効果も狙っています。また定期的な学生アンケートから、学習面だけでなくメンタル面のケアも行えるようにサポートをしつつ、これからも充実したキャンパスライフを過ごしてもらえる取り組みを積極的に取り入れていく予定です。

(サーモグラフィカメラで、入館時に体温チェックをする学生)