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デザインは「コミュニケーション」


施設案内のピクトグラムも松田講師によるデザイン

「静岡理工科大学」という大きな文字が側面いっぱいに描かれたスクールバス。シンプルゆえに、一度、目にすると強く印象に残ります。2017年からJR愛野駅と静岡理工科大学の間で運行を始めたこのスクールバスは、情報学部 情報デザイン学科の松田崇講師がデザインしたものです。

当初、大学は運行コストを下げるためにスクールバスに広告を掲載し、余白部分のデザインを松田講師に依頼するつもりでした。しかし、松田講師の考えは違いました。「地元に、もっと大学の存在を発信すべき」。それが松田講師の考えでした。当時、ここ袋井市に大学があることを知らない人は、地元の人のなかにも少なくありませんでした。そうした状況を変えるために、まずは大学周辺の人たちに静岡理工科大学の存在を広く知ってもらうことが大切であり、地元を走るスクールバスにその役目を担わせたいと考えたのです。

ピクトグラムは構内のいたるところに

ビジュアルコミュニケーションが専門の松田講師にとって、デザインは単に見栄えをよくするだけのものではなく、さまざまなコミュニケーションを支えるものです。スクールバスのデザインは、地域と大学を結ぶ一つのカタチなのです。

松田講師のデザインはキャンパス構内でも見ることができます。施設を案内するピクトグラム(絵文字)がそれです。これは、キャンパスに来ていただいたお客様や学生に対して、大学が示すコミュニケーションのカタチといえるでしょう。
モノと人をつなぐデザイン

「ビジュアルコミュニケーションの実践」というテーマは、教育や研究の現場でも一貫して掲げている松田講師のテーマです。

例えば学生に対する教育。学生はプログラミングのソースコードを少ない行数で表現することが正解であると思いがちですが、もしユーザーエクスペリエンスが向上するのであれば、たとえ行数が増えたとしてもそちらの方が好ましい。学生には、そうした気持ち良いコミュニケーションについて、理解したり、関心を持ったりしてほしいと講義に臨んでいます。

「モノとデザインの関係を学んだ卒業生が増えれば、時間はかかるけれど世の中が変わっていく。より豊かな社会をつくり出してくれるのではないか。そう思い、本学の教員になりました」と松田講師は言います。

学内の研究現場とのコラボレーションにも意欲的です。「学内の研究で大変興味深い研究成果が得られたとしても、一般の方にはあまり興味を引くことがない可能性があります。そこに私が参加して、デザインの視点を加えたいです。例えば研究の成果物が動いてハート型になったら、多くの人が興味を持つのではないでしょうか。」

学内には多くの場所にWi-Fiのアクセスポイントがあり、学生や教職員が利用しています。松田講師は場所により異なるWi-Fiのトラフィック変化を光の強弱として示す作品を作りました。コンピュータシステム学科の國持良行教授、水野信也教授と共同で作ったものです。この作品は、トラフィックの分析やビックデータの活用など何かに活用するデータとしての視点だけではなく、使用状況を光で表現することで利用者の多さや消費電力のことなど、別の視点で考えるきっかけとなることを期待した作品です。
デザインを地域に

松田講師の目は地元にも向けられています。すでに地元企業向け講演会で自身のテーマを伝えていますが、さらに共同研究の推進も視野に入っています。

「デザインによる問題解決の必要性を理解している企業ならばデザイン会社に相談すれば、解決します。しかし、どのように社会と関わっていくのか、そのためにどのようにしたらよいのか、分からないのであれば、大学との共同研究という手段があります。デザインによる問題解決に興味を持ってくれた企業と一緒に考えていきたいです」。

とはいえ、企業側からすると、松田講師のポテンシャルが気になるところです。例えば松田研究室では学生にどのような研究をさせているのでしょうか。

静岡理工科大学では例年2月に、情報デザイン学科をはじめとした学生の作品を学内の建築棟で展示しています。これまでは外部から来る見学者が少なく、学生作品の内部発表会の意味合いが強かったのですが、松田講師はこうした機会を外部にアピールしたい、そして発信の場として活用し、地域とのコミュニケーションを広げたいと考えていると言います。デザインの力で地域を豊かにしたい――その思いは、松田講師の行動力で少しずつ広がっていきそうです。


松田崇 講師 プロフィル
1999年 武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業
1999年 東映アニメーション研究所 非常勤講師
1999年 武蔵野美術大学 特別講師
2001年 武蔵野美術大学 非常勤講師
2016年 現職