水理研究室

松本 健作 教授

静岡県の水害対策を検討し,安全・安心で自然環境とバランスのとれた豊かなまちづくりを目指す

静岡県の河川を対象として,洪水災害のリスクを調べ,危険性の高いエリアに対しては,独自の観測結果の考察や,コンピュータを用いた数値シミュレーション技術を用いてその対策を練ります.河川工学は「現場工学」ですので,研究室から出て実際の河川に出向き,そこで得られる河川やその周辺の自然環境および人々の生活環境の特徴を捉えて対策に活かすことが重要です.「治水はまちづくりの第1歩」として重要ですが,それだけでなく,水辺空間での豊かな自然環境を創生してくれるのも河川です.そのため本研究室では防災のみでなく,自然環境とのバランスのとれたまちづくりを目指します.

大井川水系伊太谷川の水害リスク検討

水害避難体験ゲームの開発

水害避難を疑似体験できるゲームを開発します.現在我々は,水害対策において絶対的な「正解」を見いだせていません.これは,様々な状況が発生する水害時において,その最善の避難行動が,状況によって変化するからです.このような様々な水害発生時の状況を,一般住民が気軽に体験でき,そこから最適な避難行動についての「気づき」を得てもらうのが本研究の狙いです.作成したゲームは,実際に一般住民や行政機関・専門家などの様々な立場の方々に体験してもらい,その意見を取り入れつつ一緒に完成を目指します.ゲーム開発である一方で,体験者から意見を聴取し,人の気持ちを適切な避難行動へと結びつけるために考察するという意味では「人間工学」・「心理学」的要素を含みます.様々な分野の専門家と連携し,水害被害者ゼロを目指します.

水害避難ゲーム開発中の画像

略歴

1998年 熊本大学大学院自然科学研究科博士(後期)過程単位取得退学
1998年 群馬大学工学部助手(建設工学科)
2005年 群馬大学大学院助教(社会環境デザイン工学専攻)
2021年 静岡理工科大学土木工学科設置準備室教授
2022年 現職