「中途半端で終われない」研究への熱意。
視野を広げた6年間は、人生の転機となった。
大井 孝文 さん
2016年3月静岡理工科大学大学院理工学研究科
「知的電子制御システム研究室」卒業
「中途半端では終わらせたくなかった」
大学院進学を後押ししたのは、
研究序盤で卒業してしまうというモヤモヤした思い。
いまと同じ研究を続けられる大学院はここにしかなかった。
「いまの研究を続けたい」
もっと追求したい。もっと知識を増やしたい。
自分でも気がつかないほど、研究にのめり込んでいた。
彼の研究テーマは「トルクセンサを使わないパワーステアリングの制御システム」。
自動車のハンドル部分には、電動アシスト自転車のように力をアシストしてくれる制御が付いている。
その制御に使われるのが「トルクセンサ」だ。
当然、そのトルクセンサが不具合を起こすと、アシストができなくなる。
不具合の要因を消すためにはどうしたら良いか。
導き出したのは「引き算の研究」だった。
トルクセンサが故障してしまうと、システム自体に意味がなくなってしまう。
では、最初からトルクセンサを使わずに従来の制御を行えばいいのではないか。
センサをなくして普通に動かすことができれば、
走行中の安全性や制作コストに貢献できる部分が大きいはずだ。
探しても見つからない、今まで誰もやったことのない「未知なる研究」。
だからこそ、夢中になって研究にのめり込んだ。
頻繁に進捗状況を問われたり、短いスパンで結果を出さなければならない。
大学院生になってからは、より確実な「結果」や「成果」が求められた。
知識は格段に増えた。専門分野に詳しくなった。
今までにない新しい考え方を見つけたことは自信に繋がった。
人生の転機となった大学生活。
でも「100%満足はしていません」。
これから先、もっと視野を広げ、まだまだ成長をしていきたい。
研究で培った経験を活かし、次のステージで活躍していく。