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未知なる宇宙にあこがれて

2022.05.27
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大学院理工学研究科システム工学専攻2年
 宇宙航空工学研究室
 小坂 和生 さん(磐田東高等学校卒/本学理工学部機械工学科卒)

■機械工学分野に興味を持ったきっかけ
 中学生の時、小惑星探査機はやぶさが帰還するというニュースをテレビを通じて知り、小惑星探査機とはどんなものなのか純粋に興味を持ちました。それまでもアニメ「ガンダム」を通じて感じていた、未知の宇宙への憧れを身近に感じ始めた出来事でした。
宇宙に興味を持ちながらも、宇宙の成り立ちなどの根源に興味はなく、目に見えるものづくりを通じて宇宙に関わっていきたいと考えました。そのことから、大学では宇宙関係のものづくりを学べる学科を志し、授業料サポートを受けることができる給費奨学生として地元である静岡理工科大学機械工学科に進学をしました。
 小惑星探査機はやぶさ・・・将来の本格的なサンプルリターン探査に必須となる技術を実証することを目的とした工学技術実証のための探査機で、イオンエンジン・自律航法・標本採取・サンプルリターンという4つの重要技術の実証を行った。
2010年6月13日に地球へ帰還し、搭載カプセルをオーストラリア・ウーメラ砂漠へ落下させ、その運用を終える。地球に持ち帰ったサンプルは、小惑星の形成過程を考える上での新しい知見をもたらし、今後の小惑星探査における重要な指標となった。(JAXA宇宙科学研究所HPより)
 ■大学入学後
 静岡理工科大学では、三菱重工業㈱でスペースシャトルの開発・設計に長らく従事されてきた機械工学科増田和三教授とともに様々なことにチャレンジをしました。その中のひとつが「Space Traveler」(スペーストラベラー)という団体を作り、学生が自らモデルロケットを設計・製作しデザインや到達高度、滞空時間などを競う、JAXA種子島宇宙センターで開催される種子島ロケットコンテストに参加しました。この大会に出場するにあたり、大学で学んだ力学や運動方程式などモノが動く仕組みを機体製作に応用し、理想に近づけていくトライアル&エラーを繰り返しました。この中で、目的をしっかりと定めその目的を達成する為に最善を選択していくことの重要性を学びました。
 ■大学での研究
 私は大学を卒業し、大学院へ進み研究活動を継続してきました。現在おこなっている研究は「ニューラルネットワークを用いた有翼型再突入機の飛行制御系構築」をテーマとしています。大学では「航法装置構成システムの構築」を研究した、スペースシャトルなどの機体の位置や速度、姿勢などの状態を知るための装置が元となっています。機体状態を得るために加速度センサや角速度センサなどを用いますが、感度や開発時に生じるセンサのズレ、ノイズなど様々な影響によりセンサから出力される値が実際の真値と異なることがあります。その誤差を把握し再突入機が安定し目的を果たせるような飛行制御系設計についての研究することで、機械を動かす機構だけでなくプログラムなど機械工学で学ぶ以外の必要なことまで自分自身で考え研究できたことは大学院へ進学した一番の収穫と思っています。

再突入機・・・宇宙船や大陸間弾道ミサイルなどの物体が、天体の大気圏から宇宙空間に出てから大気圏に再度進入するその機体を指す。
 ■将来の夢
 炭素繊維(CF)とプラスチックを複合してできる、軽量かつ高強度・高剛性の特長をもつ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を通じて、航空や宇宙分野に貢献しているスーパーレジン工業㈱に就職します。
宇宙分野においては、人工衛星(構体・トラス、アンテナ、ソーラーセルパネル、バッテリーケース)、電波望遠鏡(アンテナ、トラス)、ロケット(衛星フェアリング、段間部)などの製品などに応用されています。
これから求められる地球に優しい低炭素化社会を実現するとともに、新たな産業創出をCFRPの生産技術に携わり、実現していきます。
 ■編集後記
 小坂さんと面識を持った大学2年生の頃から5年を経た。当初から宇宙に関わる仕事がしたいと話していたことを実現するために様々なことにチャレンジしてきた学生だったと振り返る。取材の中で「努力し続けないと本当の意味で自分のものにはならない」と語っていたが、目的を持って努力し未知なる道を開拓し続けた小坂さんの表情は、これから進む環境に胸を膨らませている様に感じた。

※学年学科名等は、取材時のものです。




 
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